20180708日 入院120日目 吸い飲み


【作文「吸い飲み」】 ※長文注意


昨日、看護師さんが持っていた「吸い飲み」を見て、
苦しかった入院直後のことが、ブワーッと思い返された。

***

意識が戻った当初、骨折した両足と骨盤、左腕が固定され、
ほとんど身動きできなかった。
点滴は首にしていたから、
顔を横に向けて「吸い飲み」から水を飲むだけでも難しかった。
昔飼っていたハムスターのように、
一度にちょびちょびっとしか水を舐められなかった。
39度の高熱が続き、さらにコンタクトレンズも眼鏡もないから視界がぼやけて
世界すべてがボーっと見えた。

とても強力な痛み止めを絶えず点滴してもらっていたから、
最初の頃はほとんど痛みがなく、大きな救いだった。

一日に数回、体の位置を直してもらう時だけは、
おもりを付けた左足が激痛で、廊下まで響き渡る声で、力の限り叫んでいた。
看護師さん4人がかりで体を持ち上げていた・・・。

身体ができることは何もなく、
とめどなく溢れて来る血の痰をティッシュに吐き出すことだけだった。

気持ちのほうは、
Sさんに言われた通り、
助かった全細胞と助けてくれた神さまに感謝と謝罪をすること、
氣の呼吸で全身に酸素を送ること、
合氣道を思い出して、痛みの方向に逆らわないこと、
過去を反省すること
と色々とやる事があった。

SさんとO先生の心配が、しみじみと伝わってきた。
Sさんのお礼参りに感動した。
でも、新しくもらったお守りを右手首にかけていたら、
看護師さんが「危ないから辞めて下さい!」と取り上げてしまった・・・。
点滴があるからね。

***

手術直後の意識は滅茶苦茶に乱れている。
高い柵に囲まれたベッドに寝かされ、
口の中に機械が入ってくる。
殺される!機械の故障で殺される!
全身全霊で暴れ、近くのモニターを右手で叩いて助けを呼んだけど、
先生に怒られ、右手に鍋つかみみたいなものをかぶせられただけだった。
そんな風にして5回ぐらい殺された、気がした。
これをデジャヴって言うのかな。

顔とあごの手術で、顔が1.5倍に腫れ上がったそうで、
気道を確保するため、喉に管を入れられた。
意識はあるのに、思うように息が出来ず、言葉を発せられず、苦しかった。
後から、筆談で「いつ喉の管は外れるの?」と何度も聞いているメモを
見たけど、全く覚えていない。メモはすごく必死で可哀そうだった。

***

手術が終わってから、口の中が全部機械になったように感じ、絶望していた。
今、ここまで回復させてくれたN先生には本当に感謝。

当初は流動食で、ありがたいものだとは思いつつ、
どうしても美味しくなくて、食事が嫌でたまらなかった。
ヨーグルト、牛乳、豆乳、お茶だけが美味しかった。

熱と痛みは続き、体は回復のために
睡眠を求めているのは分かっているんだけど、
気持ちが昂って、一日に1時間程しか眠れなかったから、すごく疲れていた。

朝方、汗びっしょりで目が覚め、着替えられなかった時は、とても寒かった。
1日中、足が痛むから、クッションを入れてもらったり、
膝を曲げる角度についてワガママを言い、看護師さんを困らせた。
自分で身動きができないから、数時間に1度、昼も夜も看護師さんが
身体の向きを変えに来る。

どうしたら痛みが軽くなるか?
と常に考えていたら、Sさんに叱られた。
楽になることではなく、今辛くても、治すことを考えなさいと。
そこから、メイバランスを飲んだり、流動食を頑張って食べた。
リハビリも頑張っていた。
(4か月経ってこれを書いている今は、自分を甘やかしすぎている。)

1か月くらい、手足の爪には血がこびりついていた。
手も顔も洗えなかった。

おむつの中で用を足すのは、恥ずかしかったし、勇気が必要だった。苦しかった。
看護師さんにお尻を拭いてもらった。

***

入院して1週間か2週間後に初めて髪を洗ってもらった時は、
生き返る心地がした。
何度も看護師さんと助手さんにお礼を言い続けていた。

リハビリで初めてベッドに腰かけた時、
割れた膝の皿が、膝下の重さに耐えられず、
二度と座れないと絶望して号泣した。
それでも、いつもリハビリのKさんが、きれいなポニーテールを揺らして
飾らない声で「リハビリでーす」と颯爽と入って来る瞬間が一番待ち遠しかった。
いつも激痛だけど、ほんの少し、曲がる角度が増えて行く。
マッサージでどんどん筋肉がほぐされていくのは気持ちが良い。
全身が、Kさんを信頼して、Kさんが来るのを喜んでいた。

歯科に行く度に、痛みを軽減する治療をしてくれて、やがて固形食が取れるようになった。
私のために刻んでくれている人がいることに感謝した。
その頃の私には、座っているだけでも辛いのに、
痛む口で食事をすると、50分ぐらいかかったから、
歯磨きを終える頃にはもう疲れ切って、いつも熱を出していた。

身体を起こす、食べる、聞く、話す、文字を読む、排泄する。
全てが本当に難しい作業だった。
この年で赤ちゃんに戻ったようで、本当に、貴重な体験。

バカなことで多くの人に迷惑をかけてしまった。
一言では言い尽くせない、本当に色んな気持ちがある。
周りの人皆から優しくされ、体に触れて世話をしてもらうことで、
どれ程心が癒されたか分からない。
「吸い飲み」は二度と使いたくないけど、思い入れの深い道具です。

読みづらくって、まるで、小学生の作文みたい。
でも、取捨選択せず、全てを留めておきたいので、
作文「吸い飲み」として残しておきます。

***

【予定と結果】

7/8(日)予定

午前  手紙(1h)   
  午後  簿記後半2周目(2h)
   質疑応答(2h)
         面会準備・資料送付(0.75h)

↓ 結果

 午前  手紙(1.5h)   
      簿記後半2周目(1h)
  午後  簿記後半2周目(1h)
          面会準備・資料送付(0.75h)
    質疑応答(2.5h)

原因:予定の順序ミス
対策:人が関わる予定を先に完了させる。

7/9(月)予定

午前       質疑応答(1h)
午後 CT、歯科、面会で余裕なし

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